山口市黒川の高倉荒神社で2月28日(金)、五穀豊穣・家内安全を願う春の大祭「高倉荒神祭」が開催。2020年の豊凶や水の状況を占う伝統行事“御例神事”の結果が午前0時に張り出されるほか、鳥居から同神社までの参道約200メートルの間に、九州最大の植木市場・福岡県久留米市田主丸の植木市や、たこ焼きやクレープなどの露店が並ぶ。お菓子や日本酒(一升)などが当たる「開運福みくじ」は、1回200円。
大内氏の祖である琳聖太子が航海安全、国家安泰、五穀豊穣、火難除けの神として崇めたことを起源とする高倉荒神社。2002年に不慮の火災によって焼失したが、2004年に社殿が再建された。
同神社では毎年大祭に先立ち、その年の農作物の作柄を占う「御例神事」が古式にのっとり行われている。神社裏の高倉山8合目付近の大岩の上に、岸壁から染み出た水でできた三つの御例池があり、この池の水位は、山の土が含んでいる水の量と連動しているとされ、これを見ることで、その年の農業用水を占うことができるという。実際に昔から多くの農家が、どの稲を植えるかの参考にしていた。また、田植え後の6月28日に豊作を祈願して、再び同神社にお参りをする“田道祭”と呼ばれる習わしもある。
神社周辺で交通規制
当日午前9時から午後4時まで、同神社周辺では車両進入禁止や駐車禁止の交通規制がされる。平川中グラウンドに臨時駐車場が設けられるが、台数などに制限があるため、同神社では徒歩や自転車、乗り合わせでの来場を呼びかけている。