山口市の2020年度一般会計当初予算案は、過去最大となる938億8000万円で、前年度比4.1%増の積極型予算は「『トライ 未来創造』予算」のキャッチコピーがつけられた。「オール山口の未来に向けたトライ」「今の市民生活を豊かにするトライ」「便利で豊かな創造社会を目指すトライ」を目指し、2月17日から3月13日(金)までが会期の山口市議会に諮られている。
[歳入]
「市税」は271億5000万円(前年度当初比1.0%増)。景気の回復傾向による個人市民税と固定資産税の増収を見込む一方、法人市民税は税率引き下げによる減収を見込む。また、国からの「地方交付税」は152億7000万円(同0.3%増)、「国庫支出金」は124億9000万円(同8.1%減)、ふるさと納税等による「寄付金」は5億2000万円(同24.3%増)。そして、貯金を“取り崩す”「繰入金」は62億9000万円(同9.2%増)、市の借金に当たる「市債」は160億8000万円(同29.7%増)と増額する。
[歳出]
「人件費」は154億5000万円(同5.9%増)。退職手当は減少するが、非正規職員の会計年度任用職員への移行に伴い増額を見込む。「扶助費」は幼児教育・保育無償化の影響などで192億5000万円(同3.2%増)に。「公債費」は99億円(同0.5%減)、「投資的経費」は208億9000万円(同17.5%増)、「補助費等」は72億6000万円(同3.9%増)を計上した。
[主な事業]
①「広域県央中核都市づくり」関連=新本庁舎の整備(3億3750万円)▽山口ふるさと伝承総合センター「まなび館」(地場産品情報発信・販売を可能にする)機能拡充(500万円)▽瑠璃光寺五重塔防火設備改修(100万円)▽(湯田温泉への)多世代交流・健康増進拠点施設整備事業(6480万円)▽新たなモビリティサービス調査・実証事業(2560万円)▽(中央公園を大規模イベントで使えるよう整備する等)中園町周辺地区整備事業(2億2700万円)▽(JR新山口駅北地区への)産業交流拠点施設整備事業(74億5770万円)▽(湯田温泉スマートIC開通関連の)幹線道路関連整備事業(2億7460万円)
②「個性と安心の21地域づくり」関連=(国の登録有形文化財)旧桂ケ谷貯水池堰堤へのアクセス向上(230万円)▽名田島南蛮樋保存整備事業(1億560万円)▽中山間地域滞在型交流促進事業(200万円)▽阿知須総合支所の整備(5億3980万円)▽徳地総合支所の整備(7億7780万円)▽(バス事業者への交通系ICカード導入促進、シェアサイクル実証実験など)持続可能な公共交通の構築(4億6990万円)▽地域づくり交付金(2億140万円)▽外部人材活用事業(8600万円)
③「教育・子育てなら山口」関連=情報教育環境整備事業(1億810万円)▽(補助教員の配置など)学習支援事業(1億4290万円)▽遠距離通学対策事業(8080万円)▽日本一“本”を読むまちづくり(1億8090万円)▽保育園待機児童解消へ248名の定員拡大(52億8100万円)▽保育園(認可保育施設)等のさらなる整備(3億810万円)▽南部地域4園の幼稚園合同保育の開始(1260万円)▽放課後児童クラブの定員を240名拡大(6億8090万円)▽子どもの医療費の自己負担分無料化を(中学3年生まで)拡大(8億6160万円)
④「働く・起業なら山口」関連=畜産農家支援事業(3320万円)▽もうかる農業創生事業(1220万円)▽新規就農者支援事業(4800万円)▽森林経営管理事業(6860万円)▽(島津製作所、県、山口大と連携し)AI(人工知能)技術等の活用によるヘルスケア関連の新産業・新事業の創出(2030万円)▽人材確保企業重点支援事業(1020万円)▽外国人材の受入環境整備(410万円)
⑤「文化・スポーツ・観光なら山口」関連=東京2020オリンピック・パラリンピックを契機とした地域活性化(4870万円)▽武道館の整備検討(100万円)▽やまぐちリフレッシュパーク整備事業(4億7760万円)▽小郡体育館整備事業(4億1550万円)▽山口ゆめ回廊博覧会の開催準備、プレ事業の実施(2億6430万円)▽雪舟生誕600年関連記念事業(2650万円)
⑥「健康長寿のまち」関連=総合病院(山口赤十字病院、済生会山口総合病院)の建替え支援(1億7910万円)▽救急車と医療機関との連携強化(それぞれにタブレット端末を配置し、患者の情報を共有する)に向けたICT導入(600万円)▽障害福祉サービス給付事業(30億1440万円)
⑦「安全安心のまち」関連=早期の火災鎮圧に向けた大型水槽車の配備(7290万円)▽デジタル防災行政無線等整備事業(8億5640万円)▽総合浸水対策事業(4億9120万円)
⑧「市民サービス向上」関連=スマート自治体の推進(2億円)