道を進めば、いつかは川に行き当たるから、当たり前のことだが、萩往還には大小いくつもの橋が架かっていた。最初のものは萩市内橋本川に架かる橋本大橋である。長さは48間、約90メートルで、幅も6メートルある立派な板橋だった。それ以降の主なものは明木橋、佐々並橋、木町橋、鰐石橋、氷上橋と続き、そして防府市の佐波川には、いずれ紹介する予定の舟橋という特殊な橋もあった。
ここ落合の石橋は長さ約2.4メートル、幅1.7メートルの石造りの刎橋で、片持ち梁の役割を持つ柱状の石材の上に玄武岩の3列の板石が渡してある。萩近辺に多く見られる形式だが、萩往還の終点・三田尻の浜方塩田水路にも同形式の橋がある。
文・イラスト=古谷眞之助