「第43回山口伝統工芸展2020」(日本工芸会山口支部主催)で、竹工芸の盛籃「陽春」が、最高賞の支部長賞を受けた。
受賞作品に取り入れた「柾割把ね編み」は、2017年から18年にかけて受講した「重要無形文化財『竹工芸』伝承者育成会」で人間国宝・勝城蒼鳳氏から直接教えを受けた技法。「それから2年、先生の技法を生かしつつ独自性を考え、試行錯誤を繰り返した。ようやくたどり着いた表現での受賞はうれしい」と喜びをかみしめる。
次なる目標は、「日本伝統工芸展」への出品。完成に向けて「伝統とは昔の技術の継承だけではない。むしろ革新の連続だ・勝城蒼鳳」と師の教えを表紙にしたためた図案ノートをめくりながら「伝統工芸品は人の心を癒やす。多くの人に親しんでほしい」と呼びかける。
【プロフィル】1957年宇部市生まれ、後河原在住。宇部中央高、山口大卒。引っ越し先の大分県で竹工芸と出会い、1998年から竹工芸家・田辺幸竹斎氏(人間国宝・生野祥雲斎弟子)に師事。日本伝統工芸展入選、西武伝統工芸展鶴屋百貨店賞受賞ほか受賞歴多数。