4月7日、「科学技術分野の文部科学大臣表彰」の科学技術賞(理解増進部門)を受賞した。災害に関する学術成果の公開・還元、防災授業、防災士養成、講演を通じた理解促進など「科学技術に基づく災害に強い地域ネットワーク構築の理解増進」が評価された。
1991年に全国で甚大な被害をもたらした台風19号から30年にわたって風水害の研究を続けてきた。2018年に西日本広域で発生した豪雨災害の調査では、炎天下で「毎日3リットルの水を飲んでも体重が減り続けた」という。結果は論文や書籍で発表するほか、気象災害画像データベースとしてウェブサイト上でも公開している。
「災害現場に立ち、五感で感じたことをわかりやすく伝えること」を使命とし、「科学的な理解のもと防災・減災に向けた活動を地道に実践してもらえたら」と願う。
【プロフィル】1957年12月、京都府生まれの62歳。山口大農学部卒業後農水省に入省し、研究員を務める。1994年、山口大に着任し、同大大学院創成科学研究科(農学域系)教授。「帝国日本の気象観測ネットワーク」シリーズ他著書多数。B級グルメ好きで、鉄道ファン。