「ゼラ活」とは、ゼラチンの固める力を幅広く活用することです。私の造語。
私はゼラチンを使ってものを固めることにはまっている。ゼラチンの顆粒5グラムを300グラムの温水で溶く。それを器に入れ、固めたいものを中に沈める。冷蔵庫で冷やす。三十分もすれば完全にプルルンと固まる。次から次へと冷蔵庫に入れるのでもう満杯だ。整理しなければ次が固められない。
一番奥のものを引っ張り出す。恐る恐る開けると“サンタは、いるかいないか?”と書いてある。日付は八月盛夏。夏の盛りに変なことを考えていたものだ。“「いる」「いない」相反する二つの考え。「客観と主観」を超えたところ”とあり、後半は捩れて読めない。“トナカイは空を飛べないが心の中のトナカイは飛べる”と自筆で書いた紙もあった。
手前のものを引き出す。“万緑やわが掌に釘の痕もなし(山口誓子)”。ゼリーが私の手についた。釘痕とは似ても似つかない形で。上の段から一つ。“針の山の景しき見たし極楽の蓮のうへにも乗りたくもあり(淡島椿岳)”。迷いますよね。あの世で再会したい人もいるけれど、全く別の人生も歩んでみたい。
今日は何を固めようかな? 「ゼラ活」は止まらない。命を賛歌するものを固めよう。今年は、生きてることを讃えたい。