国指定天然記念物のゲンジボタルが一年で最も多く出現する時季に設定される「一の坂川 ほたる観賞Week!」。今年は自宅や遠方でもホタルの様子を見てもらえるようにと、初めてライブ配信が実施される。
期間は5月30日(土)から6月5日(金)の午後6時から9時まで。動画投稿サイトユーチューブの「山口観光コンベンション協会公式チャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCHvSxc0hb77VgGP7c5GphoA)で視聴できる。雨天でも配信され、一の坂川の景色とともに、やや明るい夕刻から夜にかけての空の移り変わりや徐々にホタルの光が増えていく様子、周辺の音なども楽しめる。
毎年この期間に合わせて一の坂川・竪小路周辺でさまざまなイベントが開催される「ほたる祭り」は、新型コロナウイルスの影響で中止となった。ライブ配信を担当する山口市観光交流課(TEL083-934-2810)は「増えた在宅の時間に利用できたり、遠隔地にいる人にも山口市のホタルを楽しんでもらえる新しい取り組み。古民家やカフェなど周辺の街歩きも本来は魅力の一つ。ほたる祭りの中止は残念だが、ライブ配信を見て来年を楽しみにしてもらえたら。なお、この期間中に訪れる際は、人との間隔を十分に空けて」と呼び掛ける。
「大殿ホタルを守る会」によると、同地域におけるゲンジボタル(成虫)の発生数は、5月27日は574匹(2019年117匹、2018年734匹、2017年192匹)、5月28日が588匹(同150匹、547匹、259匹)。同会事務局長の岡田勝栄さんは「今年の初見日は5月11日で、例年より早めに発生しておりペースも早い。うまくいけば6月1週目にピークがくるのでは」と話している。ただし、この5年間ほど予想ピークを迎える途中で発生数が減少し、そのまま終わってしまう傾向が見られる。原因は調べているが不明という。
ホタルは午後8時ごろから光り始め、8時半から9時に見ごろとなる。
「一の坂川では蛍かごを吊り下げるなど、ささやかながらホタル観賞のムードづくりをしている。祭りがなくなったことで人出が集中せず、ゆっくり自分のペースで散策できると思う。人との間隔を空けるなどの対策をしながら、今年は粛々と楽しんでみては」と岡田さん。
一の坂川のゲンジボタルは、同会と大殿小が約30年にわたり保護増殖活動を続けている。同会は例年この時期に許可を得て飼育用の成虫を採取するが、今年は大人数での行動を避けるため児童の参加を減らして5月29日に実施したという。