「時間に正確」と海外から評価される日本人ですが、はたして昔からそうだったのでしょうか?
江戸時代末期まで、庶民の時間に対する意識はかなり緩やかなものでした。明治6年に太陽暦(現在の暦)が導入され、機械式時計が徐々に広まり、庶民の意識も変わっていきました。しかし、そもそも合わせるべき正確な時刻を知る方法がなかったため、「分」レベルの時を意識することはありませんでした。
その意識が大きく変わるきっかけとなったのは1920年(大正9年)の「時」展覧会でした。社会に正確な時間への意識を持ってもらうことを目的に開催され、会期中の6月10日を「時の記念日」とすることになりました。2020年が制定100周年にあたります。
山口博物館では、時の記念日にまつわるエピソード、時や暦に関する資料、時計の歴史を紹介するテーマ展を開催します。会期は6月5日(金)からです。この機会にぜひご覧ください。
山口県立山口博物館 学芸課天文担当 岩村 和政