地域イベントや住民らの交流の場として親しまれてきた鋳銭司地域交流センター。老朽化に伴い、現在地の約250メートル南西に新築移転工事が進められていた新センターの建物がこのほど完成し、6月15日(月)に供用開始される。
前身の鋳銭司村公民館は1949年に開設。1952年に完成した建物が1980年に建て替えられ、2009年に鋳銭司地域交流センターへと名称が変更された。老朽化に伴い、2013年建設委員会が発足し、建設場所の検討や視察を経てJR四辻駅の南西200メートル付近に移転が決定。2019年2月に造成工事が開始され、同7月から建設および外構工事が実施されてきた。
新センターの構造は鉄筋コンクリート造平屋建てで、延べ床面積は1171.10平方メートル。図書コーナー、調理室、和室などの生涯学習機能をはじめ、団体事務室や授乳室等が整備されている。防災拠点として消防車庫や詰所も合築。駐車場側の3メートル程度張り出した軒先は、鋳銭司の昔の家にあった「屋垂れ」をイメージした空間となっている。今後、センター裏に倉庫3棟が建設される。
なお、移転に伴い新センターの住所は山口市鋳銭司5675-1、電話番号は083-986-2001となった。
新センターの完成を祝して
鋳銭司自治会長 岡本 敏
鋳銭司の地域づくり、生涯学習、防災の拠点となる新たな地域交流センターが、6月15日に供用開始となります。
鋳銭司村時代の1949年、全国でも早くから公民館活動が盛んに行われ、1980年の公民館建て替えから40年が経過しました。新センター建設に関する地域の意見反映と円滑化を図るため2013年に発足した建設委員会では、11回の「建設委員会だより」も地域に全戸配布しました。
新しい交流センターは、鉄筋コンクリート造平屋建てのバリアフリーの建物です。南側には軒先の長い「屋垂れ」もあり、玄関先には大村益次郎没後150年事業実行委員会による益次郎の銅像が建立する予定です。これからの地域の活性化を期待するとともに十分に活用したいものです。
最後に、センター建設にあたり貴重な用地をご提供いただいた方をはじめ、ご尽力をいただきました市ならびに関係者の皆様に自治会を代表して御礼申し上げます。
落成記念式典は7月開催 益次郎の銅像お披露目も
落成記念式典は7月中旬に開催。当日は、新センター駐車場の一角に設置される郷土の偉人・大村益次郎(1825~69)の銅像の除幕式も実施される予定だ。
銅像は、近代国家成立に大きく貢献した大村益次郎を顕彰しようと、没後150年事業の一環として2017年に建立が企画された。当初800万円を目標とした募金活動に対し、1100人もの地域内外の支援者から約1200万円が寄せられ建立が実現。2018年から富山県の工房で制作された。台座には寄付者芳名板も掲示される。
入居する地域団体
同センターの団体事務室には、鋳銭司自治会と鋳銭司地区社会福祉協議会の事務局が入居する。電話番号については、前者は変更なし、後者は083-986-3714の番号が新設される。なお、旧センター隣接の鋳銭司高齢者生きがいセンター(TEL083-986-3777)は、これまで通り利用できる。
●図書コーナー
窓側にカウンター席が設けられ開放的な雰囲気に。
●交流スペース
団らん・憩いのスペースとして利用できる。
●屋垂れをイメージした空間
農家の建物の造りで、縁側がない軒下の土間空間のことを指す。早稲田大などが取り組む「千年村プロジェクト」(千年以上存続している村の調査、公開、顕彰活動)で2015年度、屋垂れの家が多く残る鋳銭司和西集落が「屋垂れの村」として報告され、千年村認定候補となっている。