新型コロナウイルス感染症拡大防止のための営業自粛や、生活者の消費行動の変化などによって、多くの事業者が打撃を受けている。そのような中、財務省山口財務事務所(TEL083-922-2190)が四半期ごとに実施している「法人企業景気予測調査」によると、BSI(景況判断指数)はマイナス52.5。調査を開始した2004年度以降、最悪の数値となった。調査時点は5月15日。
今期の「景況判断」について、前期に比べ「上昇」したと答えた企業は6.9%で、「下降」は59.4%だった。前回調査時の今期BSI予測はマイナス2.9で、それより50近くマイナスに振れた。BSIのマイナスは、消費税率が引き上げられた2019年10~12月期以降3期連続。業種別では、製造業がマイナス60.0で、非製造業がマイナス48.5。規模別にみると、大企業がマイナス63.0、中堅企業がマイナス42.3、中小企業がマイナス52.1だった。
また、翌期はマイナス5.9とマイナス幅が縮小。翌々期はプラス4.0になる見通しだ。
次に、2020年度の「売上高」(回答64社)は、前年度比マイナス7.8%の減収見込み。業種別では、製造業がマイナス9.0%で、非製造業がマイナス1.1%。規模別では、大企業がマイナス8.6%、中堅企業がマイナス1.8%、中小企業がマイナス2.3%だった。
さらに「経常利益」(同62社)も、前年度比マイナス27.5%の減益見込み。業種別では、製造業がマイナス28.4%で、非製造業がマイナス21.2%。規模別では、大企業がマイナス28.0%、中堅企業がマイナス39.8%、中小企業がマイナス13.7%だ。
また、2020年度の「設備投資」(同73社)は、前年度比9.7%の増加見込み。製造業(12.6%)は増加で、非製造業(マイナス14.5%)は減少。規模別だと、大企業(9.2%)、中堅企業(41.0%)、中小企業(0.8%)とも増加する見込みとなっている。
「雇用」(同82社)の現状BSIは、12.2の「不足気味」超で、前期の38.1から大幅に「不足気味」超幅が縮小した。翌期は17.1、翌々期は20.7の「不足気味」超となる見通しだ。
BSIとは、前の四半期と比べた景況判断で「上昇」と答えた企業の割合から「下降」と答えた企業の割合を引いた値。今回は、今期(4~6月)の現状、翌期(7~9月)の見通し、翌々期(10~12月)の見通しについて114社に対して判断を求め、101社が回答した。回答101社の内訳は、製造業が35社(34.7%)で、非製造業が66社(65.3%)。企業規模では、大企業(資本金10億円以上)が27社(26.6%)、中堅企業(同1億円以上10億円未満)が26社(25.7%)、中小企業(同1000万円以上1億円未満)が48社(47.5%)だ。