西京シネクラブ(大久保雅子代表)は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月から上映を延期していた「第三夫人と髪飾り」(2018年、ベトナム)を、6月27日(土)に山口県教育会館(山口市大手町2)で、山口県内初上映する。時間は、午前10時半、午後2時、7時からの3回。
舞台は19世紀のベトナム。14歳のメイは「絹の里」を治める大富豪のもとに、三番目の妻として嫁いできた。穏やかで上品な第一夫人には息子が一人、美しく魅惑的な第二夫人には娘が三人いたが、一族にはさらなる男児の誕生が待ち望まれていた。やがて、まだ無邪気だったメイはこの家では世継ぎを産んでこそ”奥様“になれることを知る。そして、妊娠するが―。
監督のアッシュ・メイフェアはベトナムに生まれ育ち、ニューヨーク大(アメリカ)で映画製作を学んだ女性。ベトナムでは19世紀から20世紀初頭まで一夫多妻は合法で、監督は曽祖母の実体験をもとに脚本を執筆した。
ロケ地に選ばれた北ベトナムのチャンアンは、「キングコング~髑髏島(どくろとう)の巨神」(2017年、アメリカ)の撮影地としても有名だ。2014年、文化遺産と自然遺産の双方の価値を兼ね備える「世界複合遺産」にも登録された。さらに、美術監修は映画「青いパパイヤの香り」(1993年、フランス)「夏至」(2000年、同)監督のトラン・アン・ユンが務め、スクリーンには壮大な自然と東洋の美が絵巻物のように映し出される。
前売り料金は一般1500円。プレイガイドでのチケット販売は当面中止されるが、事前に電話で予約をすれば当日この値段で購入できる。当日券は一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。申し込み・問い合わせは、主催の同クラブ(TEL083-928-2688)へ。
なお、同クラブは、新型コロナウイルス感染防止のため、来場者にマスクの着用と座席間隔を空けての鑑賞を呼び掛けている。