陶の地名が示すように、かつてこの付近は須恵器の窯業地として栄えていた。その歴史を今に伝える貴重な窯跡がある。
陶陶窯跡(すえのすえかまあと)は1936年に発見、1948年に国の史跡に指定された。全長約9メートル(現在は約2.8メートル)、幅は奥壁付近で約1.2メートル、高さ約1メートルの登り窯で、天井部も残っている。内部からは多数の須恵器片が発見された。
須恵器は朝鮮半島から伝わり、日本では5世紀から10世紀に製造。この地で窯業が栄えた理由として、良質な粘土が産出したこと、燃料用薪の採れる山があったこと、山の傾斜が登り窯に適していたこと、入海で港があり海上輸送に便利だったこと、防府の国府が近かったことなどが考えられている。