七月になった今頃カレンダーの色に気づいた。カレンダーは一カ月が一枚になっているもので、各月色が違っている。三カ月が一グループで色合いに統一が見られる。「日本の傳統色」で調べてみた。一月は、藤黄。赤みのさえた黄色。二月は、琥珀。黄みのふかい黄赤。三月は、銀朱。黄みの深い赤。この共通の色は黄色。陽の薄い季節だから光の色を求めているのかしら? 四月、五月、六月のグループは緑とすぐわかる。青朽葉色、萌黄、青丹。日本が緑色に染まる季節だ。七月は、水色。八月は、浅葱色。九月は、舛花色。この三カ月は青一色。十月は、桜鼠色。十一月は、中紅。十二月は、桃色。ここは赤紫グループ。掌大のカレンダーだが粋な作りだ。
人の一生を色分けすると青春の青。朱夏の朱。白秋の白。玄冬の黒。夫々を傳統色で見立てよう。青春十代は、瓶覗。緑みのごく薄い青。二十代は新橋色。緑みの鮮やかな青。生き生きとした色たち。壮年期の朱夏の朱は赤色。赤紅のさえた赤から真朱の深い赤までどきどきするほど力強い色たち。充実期の白秋の白は、白鼠の明るい灰色から白練の雪の白い色まで。何とも奥深い色たち。次は玄冬となる。玄は黒色。225色の中の一番最後。色の説明にはただ一言黒とある。黒は品のある高貴な色だ。締め括りの色だ。