旅する蝶、アサギマダラがまだ我が家に来ない。三軒隣の田村さんの庭の一本しかないフジバカマに、大きなアサギマダラが二頭来たというのに。大島の弓川さんの畑にはフジバカマの群落があり、無数のアサギマダラが乱舞している。写真を見たら眩暈がした。
我が家には、四本のフジバカマがあり花が二十三咲いている。難をいえば花が小さいし色味が薄い。茎が細く葉が何故か萎びている。寂しい感じがする。秋の花だから、これでいいんだけれど、蝶には、物足りないのかしら?花に来るのは、オスが多い。オスは視覚によりメスを探す。我が家のフジバカマが見えないはずはないのに。
アサギマダラは、浅黄色で白と茶の模様がある。羽に半透明の部分があり、そこに光が透け空の青がうつる美しい蝶だ。その体で2千キロを超える旅をする。冬は南西諸島、春、北上する。夏を山形県や長野県等各地で過ごし秋に南下する。羽に見た月日を書き入れマーキングし放す。それを捕獲した人がまた書き入れる。旅のルートがわかる。なぜ蝶は海を越え旅するのか? まだわからないことが多い謎の蝶、アサギマダラ。だから会いたいのに来ない…。
読者の方から短歌が届きました。小春日の里の野原に蝶五匹おとぎの国へ誘われゆく
私もおとぎの国に行きたい!