2018年の家計調査で、山口市のチョコレート消費額がダントツで日本一だったことを受け、「市民のチョコレート熱をさらに高めたい」と山口商工会議所は、「Chocofuror(チョコフロール) Yamaguchi!」と名付けた事業を展開する。「Chocofuror」とは「チョコに熱狂」の意味で、山口県・市が姉妹縁組を結んでいるスペインの言葉を使った造語だ。
そのメインとなるイベントが、山口井筒屋(山口市中市町3)で11月13日(金)から15日(日)にかけて開催するチョコレート物産展。国内外の有名店や、山口市内のパティスリーらによるオリジナル商品を取り揃える。
徳地に店舗を構える、ビーントゥバー(カカオ豆からチョコレートバーまでを一貫製造すること)チョコレート店の「tete」は、2020年の「チョコレートアワードアジアパシフィック大会」で銀賞を受賞した「ベルガモット&ピンクペッパー」などを販売。また、小郡のベーカリー「ファミーユ」は宇部高専の学生と共同開発した「ミエット」「ガトーフリュイ」を、阿知須のケーキ店「ロワゾブルー」は雪舟生誕600年を記念したブラウニー「墨入りチョコフロール 塔やまぐち」などを、それぞれ限定販売する。地元からはさらに「クイーンズカレー」(ショコラカレー)、「山口グランドホテル セーラ」(ザッハトルテなど)、「ラ・レーヌ・デ・カトルセゾン」(チョコレートシフォンなど)、「銭の菓子本舗 ポム」(チョコレートケーキなど)、「HANASAN(アイスタ新山口内おみやげ長州屋)」(グリンパーク銘菓「サビエル塔」復刻)、「西田珈琲」が出店する。
県外から山口県に初出店するのが、今年2月にオンエアされたTV番組「ガイアの夜明け」で注目を集めた「大三萬年堂HANARE」(東京都)と「カカオ研究所」(福岡県)。前者は老舗和菓子屋の十三代目が営む和スイーツ店で「あずきとかかお」などを販売する。後者はビーントゥバーを中心にした店舗。今回は、阿東の「しもせりんご村」とコラボした「リンゴチョコレート」を限定販売する。
加えて、「ゴディバ」「モロゾフ」「メリー」「デメル」「メゾンショーダン」「神戸フランツ」「シャトロワ」「モンロワール」「チョコロンブス」など国内外の有名店の商品も並び、日頃山口ではなかなかお目にかかれないチョコレートを購入することができる。
また、11月14日(土)午前10時からは「チョコレートを食べて健康に! &恋への影響?!」講座が、同店近くの山口商工会議所(山口市中市町1)で開かれる。講師を務めるのは、国内製菓大手森永でハイカカオチョコレートの開発・販売を担当した尾畑暠英さん。チョコレートが人の心と身体に及ぼす好影響について教えてくれる。定員は先着40人。申し込み・問い合わせは同所(TEL083-925-2300)へ。
さらに同事業では、スペインからの山口市国際交流員、マリア・ルビオさんに同国でのチョコレートの楽しみ方を聞いた動画(https://www.youtube.com/channel/UChDQtZLGawpAXD0QuMcayHg/)の公開、山口市在住の漫画家・山野りんりんのイラストを使用する市内チョコレート取り扱い店マップ作成、新山口駅南北自由通路の“チョコレートジャック”などの取り組みを展開していく。
2018年の家計調査(47都道府県庁所在地別)で、山口市の1世帯当たりのチョコレート(=生地の重量が60%以上)の支出金額は2万9026円。2位以下の名古屋市(7486円)、大津市(7043円)、奈良市(7023円)、金沢市(6823円)などを大きく引き離していた。さらに、チョコレート菓子(=生地の重量が40%以上60%未満など)の支出金額も山口市が1998円でトップ。こちらの2位以下は、高知市(1909円)、鳥取市(1891円)、岐阜市(1622円)、水戸市(1602円)だ。2019年のトップは、チョコレートが金沢市でチョコレート菓子は大分市。とはいえ山口市は、前者は10位で後者は2位と、変わらず上位だった。