雪舟生誕600年にちなみ、山口市歴史民俗資料館で開催されている「雲谷庵展」の関連企画「雲谷庵で歌会を」に応募した短歌が大賞を受賞。34都道府県からの542首中、最高位に選ばれた。
受賞作品「老二人柿の若木を植ゑ終へてしばらく聞きぬ谷川の音」は、「種から育てた1メートル弱の柿の若木を夫とともに山に移植した時のことを詠んだ」という一首で、「思いがけないことで驚いた」と話す。
多いときは7人家族の家事を引き受け、仕事もこなす一方で、民踊は40年、短歌は30年「ただ楽しくて」感性を磨き、2019年度山口市民文化祭での短歌大会では最優秀賞にも輝いた。
「仁保の美しい自然や人との触れ合いをこれからも詠み続けたい」と静かにほほ笑む。
好きな歌人は栗木京子、道浦母都子。
【プロフィル】1935年防府市生まれの85歳。山口市仁保在住。仁保地域交流センターで開催されている「仁保短歌教室」や歌人・上村典子が講師を務める「カルチャーどうもん」の歌会講座に通いながら短歌を学ぶ。雑誌「短歌研究」にも“たまに”投稿する。