12月26日(土)と27日(日)に山口県教育会館(山口市大手町2)で、西京シネクラブ(大久保雅子代表、TEL083-928-2688)による映画上映会が開かれる。上映されるのは2作品。
まず、2020年に生誕100周年を迎えた芸術家トウコ・ラークソネンを描いた「トム・オブ・フィンランド」(2017年、フィンランド、スウェーデン、デンマーク、ドイツ)は、26日午前10時半、午後7時、27日午後1時半からの3回上映。
同性愛が厳しく罰せられた第二次世界大戦後のフィンランド。帰還兵のトウコは、昼間は広告会社で働き、夜は鍵のかかった自室で己の欲望を絵に描いて表現していた。そのスケッチブックの中で奔放に性をおう歌しているのは、たくましい男たちだった。フィンランドで自分の絵を発表することができなかったトウコは、トムというペンネームで作品をアメリカに送る。そして、ある雑誌の表紙を飾ることとなり、ゲイ男性たちの希望のイメージとして「トム・オブ・フィンランド」は世界中に広がっていった。
もう1作品は、イタリア映画の巨匠マルコ・ベロッキオ監督によるマフィア映画「シチリアーノ 裏切りの美学」(2019年、イタリア、フランス、ブラジル、ドイツ)で、26日午後1時半27日午前10時、午後4時からの3回。
物語の舞台は、マフィアの全面戦争が激化していた1980年代初頭のシチリア。パレルモ派の大物ブシェッタは抗争の仲裁に失敗しブラジルに逃れるが、残された家族や仲間たちはコルレオーネ派の報復によって次々と殺されていった。ブラジルで逮捕されイタリアに引き渡されたブシェッタは、マフィア撲滅に執念を燃やすファルコーネ判事から捜査への協力を求められる。麻薬と殺人に明け暮れ堕落した犯罪組織「コーザ・ノストラ」に失望していたブシェッタは、固い信頼関係で結ばれたファルコーネに組織の罪を告白する決意をするが、それはコーザ・ノストラの ”血の掟”に背く行為だった。仁義なき抗争の果てに、名誉ある男の美学を貫こうとブシェッタが下した決断とは─。
2019 年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたほか、2020年にはイタリアのアカデミー賞と呼ばれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で最多6部門受賞を果たした話題作だ。
「今回のテーマはアート。『トム・オブ・フィンランド』はアーティストを主人公にした作品で、イタリア最後の巨匠と称される高齢で現役のマルコ・ベロッキオ作品は芸術そのものと言える。どちらもスクリーンで観るべき作品」と大久保代表。
当日券は、一般1800円、19歳から25歳まで1000円。前売り券(電話予約可)は、一般1500円、2回券(2人での使用可)2800円で、同館、山口市民会館、YCAMなどで購入できる。