山口市の特定健康診査を受けた。体重計に乗ると、「〇キロです」。えっ、嘘! 四キロも増えているではないか。
コロナ禍で外出は減った。出かける時はいつも自転車なので、ある程度の運動にはなっていたと思う。夏場などは買い物をして帰ると、一キロは体重が減っていた。その買い物も今は、宅配に頼っている。習い事や各種行事も中止になり、どこにも行かなくなった。家に籠っていると、食べて寝る、という生活。結果、四キロの体重増加…。
これはいかん。歩くことが減量にいいと聞いた。私も歩こう。朝、六時に歩き出した。痩せるために歩いた。歩きながら、これは変ではないか?
中国山脈の山間の村の私の故里では、誰もが早朝から夕暮れまで農作業に励み、疲れて家に帰った。労働量は大きい。皆、痩せていた。私は労働をしなくて。自堕落に身につけてしまったものをただ落とすために歩き、時間と体力を使う。これはおかしい。勿体ない。友人が、足の筋力維持のために歩く、それが全身の健康に繋がる。結果、医療費を減らすことになる。国家にとっても良い、と言った。国家ねえー、歩きながら、変だという気持ちから逃れられない。故里の祖父母の日に焼けた顔と曲がった腰が目に浮かぶ。持てる力のすべてを労働に費やしたのだ。彼らは健やかに生きた。