明治時代から戦前にかけては食用として広範囲で栽培され、現在は酒米として普及している「穀良都」。その発祥は小鯖にあった。
山口市小鯖地域に生まれた農民・伊藤音市(1856~1912)は1889(明治22)年、自家で栽培していた米の品種「都」の中から実が早く付く株だけを選んで植えた。これが「穀良都」だ。やがて県内のみならず関東地方、朝鮮半島に及ぶまで作付けされるようになった。
昭和天皇即位時には福岡県に主基斎田(大嘗祭の供え物にする穀物を作る田)が勅定され、穀良都が「昭代」と名を改めて植えられた。
現在は酒米として、地酒などに使われている。