弊社主催の「2021年新年写真コンテスト」には、52人から117点の応募がありました。審査委員長は、山口県立大でデザインや写真表現などを研究されている国際文化学部の倉田研治准教授に務めていただき、弊社・開作真人社長とともに、2020年12月8日に審査会を実施しました。
その結果、最優秀賞には横山周作さん(大阪府豊能町)による「頂きます」が選ばれました。横山さんには、賞状と賞金3万円を贈呈します。
また、優秀賞には吉村幸紘さん(兵庫県尼崎市)の「闇に浮かぶ」、松岡希枝さん(山口市)の「amazing sky」、吉田崇宏さん(同)の「明日へ繋げ」の3点が選ばれました。それぞれ、賞状と賞金5000円を贈呈します。
「佳作」10点に選ばれたのは、吉冨延子さん(宇部市)の「前へ進め!」、石川満彦さん(同)の「この梅、うめー!」、古谷眞之助さん(山口市)の「河川敷の桜並木」、来栖旬男さん(同)の「タイムトンネル」、児嶋三奈さん(同)の「とりあいっこ」、小玉剛史さん(三重県多気町)の「秋の始まり」、山本夏海さん(山口市)の「無病息災を祈って....」、賀屋このはさん(同)の「廻」、田中真紀子さん(広島県大竹市)の「水辺の並木道」、大庭具史さん(山口市)の「火焔光背に勝る紅葉」でした。それぞれ賞状を贈呈します。
すべての写真は、こちらの特設ページでご覧いただけます。
「2021年新年写真コンテスト」講評
審査委員長 倉田 研治
[総評]
今回はコロナ禍での写真コンテスト実施であり、応募減の不安もあったが、前年を上回る多くの力作が寄せられた。対象エリアである山口ゆめ回廊(山口県央連携都市圏域)の山口市、宇部市、萩市、防府市、美祢市、山陽小野田市、島根県津和野町を舞台に、様々なアプローチで多彩な作品が応募。コロナ対応を続ける日々の中、身近な場所への新たな眼差しや特別な思いを持って撮影に挑まれた質の高い作品が多くみられた。サンデー山口では、紙面とウェブを通じて地域の魅力が発信されており、このコンテストの入賞・入選・佳作作品も読者の皆さんと共有されている。これからも、写真表現を日常に取り入れることで、変化する生活様式の中でも、身近なことや発見することを楽しんでもらいたい。
[最優秀賞]
「頂きます」は、ダイナミックな瞬間を捉えられた作品である。ペリカンの大きく開いた口に向かって、絶妙なバランスでエサとなる魚が舞い踊っている。食べる行為から、生きることや生命力について考えさせられる。構成も、静と動を兼ねそなえた秀逸な仕上りである。
[優秀賞]
「闇に浮かぶ」は、光と空間を丁寧に捉え、幻想的な風景として集約している。暗い山間部を走り抜けるSLが生み出した空間を、バランスのよい構図でおさめている。撮影時の努力も垣間見えるが、それを感じさせない印象的な瞬間を捉えることに成功している。
「amazing sky」は、空の表情とともに撮影している楽しさが伝わる作品である。雲や足元の岩の大きさから人物のスケールが小さく感じとれたり、爽やかな雰囲気を感じとれたり、様々な楽しみ方ができる。全体の構成から、心地よさを想起させる優れた仕上りである。
「明日へ繋げ」は、日常の中から美しく感じた瞬間が切り取られている。逆光でシルエットを用いた表現はよくあるが、コロナ禍で元気やキラキラに出会い捉えた感触が感じられる。白線も効果的であり、リズミカルな構成である。