毎年2月は日本生活習慣病予防協会が定める「全国生活習慣病予防月間」。生活習慣病予防に対する意識向上や健康寿命の延伸を目指し、「“一無二少三多”で生活習慣病予防」が基本テーマに掲げられている。一無は「無煙・禁煙―喫煙は万病の元」、二少は「小食―食事は腹七~八分目」「少酒―お酒はほどほどに」、三多は「多動―身体を活発に動かす」「多休―休養をしっかりとる」「多接―多様なつながり」。同協会では、「多休」(しっかり休養!からだとこころのリフレッシュ)を2021年の強化テーマとし、様々な啓発活動を実施する。
生活習慣病とは?
生活習慣病とは、偏った食生活や運動・睡眠不足、喫煙、ストレスなどの生活習慣と、家庭・社会環境におけるさまざまな因子の積み重ねによって引き起こされる病気の総称。具体的には、糖尿病、高脂血症、高血圧、骨粗しょう症などが挙げられ、中でも死亡率の高い悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患は「三大生活習慣病」と呼ばれている。 厚生労働省の「2019年度人口動態統計」によると、死因の50.0%を三大生活習慣病が占めている(下グラフ参照)。
予防するには?
生活習慣病を予防するには、運動を習慣づけること、栄養バランスの良い食事を摂ること、禁煙、節酒、質の良い睡眠をとること、ストレスとなる問題を解決することなどが大切である。
まず運動の習慣づけには、掃除や洗濯などの家事、徒歩での通勤・通学など、運動の機会を確保すること。
次に、食生活を見直そう。脂っこいものや甘いものの食べ過ぎには注意。3食を規則正しくよくかんで味わうことが、大食い防止や脂肪燃焼の効率アップにつながる。
禁煙も重要だ。喫煙は動脈硬化や高血圧を招く危険因子。吸う本人だけでなく、煙を吸い込む周囲の人にも悪影響を及ぼす。
そして定期的に健康診断を受けよう。掲載の医療機関も参考に、生活習慣病への認識を深めるとともに血糖値や血圧などの数値の変化に応じて生活習慣を改善しよう。
かつて成人病と言われ、30~40代での発症が多かった生活習慣病だが、近年では若者や子どもにも兆候が見られる。「まだ大丈夫」と思っているうちに病状が進行しているということもあるので、健康診断を後回しにしている人は注意が必要だ。
また、新型コロナウイルス感染拡大防止の自粛活動によって生活リズムが乱れ、肥満になったりストレスを抱えたりしている人も多いのでは。いつもと違う生活だからこそ、食事の栄養バランスや運動の習慣を意識し、生活習慣病の予防に努めよう。
初期の段階で発見できれば、生活習慣の見直しや適切な薬物治療により進行を食い止めたり改善したりすることができる。早期発見のために、定期的な健診を受けることが最善策と言えよう。