右の写真は「磁気コアメモリ」といって、現在のコンピュータのメモリに使われている半導体メモリのご先祖様にあたるものです。写真中の黒色のものはドーナツのような形をした磁石で、真ん中の穴に3本の線が通っています。この線に、情報に応じた電気を流すことで磁石を磁化させ、S極、N極の違いで情報を記録していました。
2020年12月2日発行の本コーナーでも紹介したクロード・シャノンの「世の中のすべての情報は、「0」と「1」で表すことができる」という発見のおかげで発明された磁気コアメモリですが、同時期に発明、進化を遂げていたトランジスタなどの集積化がすさまじく、大規模集積回路の登場に伴い、わずか20年ほどで姿を消しました。
磁気コアメモリは、現在、山口県立山口博物館で開催中のテーマ展「情報通信技術革命」で展示中です。コンピュータの誕生と進化の物語をご覧ください。
山口県立山口博物館 理工担当学芸員 漁 剛志