「荒神様」として親しまれている高倉荒神社(山口市黒川)で、2月28日(日)に五穀豊穣や家内安全を願う春季大祭「高倉荒神祭」が開催される。その年の稲の作柄を占う“御例神事”の結果が貼り出され、露店、「福みくじ」などの催しが楽しめる。2021年は16年以降5年ぶりの休日開催になる。
五穀豊穣の神として知られる高倉荒神は、大内氏の始祖と伝えられる琳聖太子が百済から渡来した際、佐波郡多々良浜(現・防府市)に着くと同郡高倉村に一社を建立し、高倉荒神社として崇めたのが起源という。その後遷座を重ねて現在の地に移築された。毎年2 月28日の大祭に先立ち、節分には古式にのっとった御例神事が執行される。
高倉山8合目付近に、岸壁からしみ出た水でできた三つの御例池がある。この池の水位は、山の土が含んでいる水の量と連動しているとされ、神官がこれを見てその年の稲の作柄を占う。大祭当日の午前0時に「早稲何合、中稲何合、晩稲何合」といった米の出来高を記した御札が貼り出され、どの時期の稲を植えるかの指標にされてきた。当たる確率は高いと言われ、気象予測や農業技術が進歩した今日でも、その観測方法には信頼が寄せられている。
また、大祭の参加者たちは、田植え後の6月28日に豊作を祈願して、再び同神社にお参りをする。
露店や福みくじ
鳥居から同神社までの参道約200メートル間には、飲食などを提供する露店が軒を連ね、拝殿近くでは日本酒(一升)やお菓子や文房具などが当たる「福みくじ」(1回200円)を引くことができる。
なお、例年は福岡県久留米市から「田主丸植木市」が出店していたが、新型コロナウイルスの影響で今回は中止。なお、当日は感染症対策として、境内各所や露店などに消毒スプレーや飛沫防止ビニールが設置される予定だ。
神社周辺で交通規制 平川中に駐車場
当日午前9時から午後4時まで、同神社周辺では車両進入禁止や駐車禁止の交通規制がされる。平川中グラウンドに臨時駐車場が設けられるが、台数などに制限があるため、同神社奉賛会は「近隣の方は徒歩や自転車でお越しを」と呼びかけている。