張り扇で釈台を「パパン」とたたき、物語をリアルに進める講談。落語と違ってオチはなく、クライマックスに向けてくすぐり(笑いの要素)を取り入れながら緩急をつけ、面白おかしく、勇ましく、時にせつなく感情を込めて地の文(ト書き)読み上げる。
日ごろ山口市内ではなかなか触れる機会のない講談の世界が楽しめる「山口初御目見得 神田京子独演会」が、3月17日(水)午後6時(5時半開場)から、C・S赤れんが(山口市中河原町5、TEL083-928-6666)で開かれる。主催は山口市と認定NPO法人こどもステーション山口が指定管理者の同施設。
高座に上がる神田京子は2020年2月、山口市内に移住した講談師(日本講談協会、公益社団法人落語芸術協会所属)。華やかでキリッとした語り口で人気を博している。日本大学芸術学部在学中の1999年、二代目神田山陽に入門した。山陽の他界後、神田陽子に師事。2005年二ツ目、2014年真打ちに昇進した。
各種講談会や浅草演芸ホール・新宿末広亭・池袋演芸場・国立演芸場など都内の寄席に出演の傍ら、「清水次郎長伝」「明治白浪女天一坊」「安政三組盃」など、講談のスタンダードを届ける独演会を開催。さらに、ジャズ音楽と「三文オペラ」、クラシック音楽と「カルメン」、長唄と「勧進帳」、マイムと「レ・ミゼラブル」、俗曲・津軽三味線と「番町皿屋敷」など他ジャンルとのコラボレーションも展開。講談の可能性を広げ続けている。
長年のコラボ公演の経験を生かし、 2019年より融合舞台制作集団 Kyoko Labo. 企画を立ち上げ、地域の人々との交流を持ちながら、郷土文化・芸能との融合舞台を作り出す活動も始めた。
テレビ・ラジオ出演多数で、NHK総合「演芸図鑑」、同Eテレ「趣味悠々 フォト五七五 」、同ラジオ第一「日曜バラエティ」など。現在は、tys「mix」、KRY「お昼はZENKAIラジオな時間」にレギュラー出演中。
私生活では、詩人・桑原滝弥と結婚し、一児の母。息子の幼稚園入園に先駆けて移住し、「普段はゆったり山口で過ごし、しばらく東京は通う街に」という。
全席自由で、前売りチケットは一般2,000円。同施設、山口市民会館、YCAM、サンパークあじす、こどもステーション山口事務局で購入できる。当日券は2,500円で、残席がある場合のみ会場で販売される。未就学児入場不可。