山口市の2021年度一般会計当初予算案は、過去最大の2020年度から一転、5年ぶりの減額となる877億3000万円。前年度比6.6%減で、「『暮らしを守り 未来を築く』予算」のキャッチコピーがつけられた。また、新型コロナウイルスへの対応など、2020年度の補正予算として21億4000万円を計上。この補正予算を含め、総額898億7000万円を「15カ月予算」として、一体的に執行することとした。新型コロナウイルス感染症対策や、デジタル化など社会の変化に柔軟に対応できる「新たな日常」を市民が構築できることを目指し、2月19日から3月18日(木)までが会期の山口市議会に諮られている。
[歳入]
「市税」は、新型コロナウイルス感染症の影響等で、前年度当初比2.1%減の265億9000万円と見込む。そのうち、個人・法人市民税は計8億9000万円の減収だ。また、国からの「地方交付税」も、7.2%減の141億6000万円の見込み。貯金を“取り崩す”「繰入金」は47億4000万円(同24.7%減)、市の借金に当たる「市債」は134億3000万円(同16.5%減)。
[歳出]
「人件費」は、退職者や期末手当の減少により、前年度から0.8%減の153億3000万円。また、JR新山口駅北口の産業交流拠点の整備が終了すること等に伴い「投資的経費」は、33.0%減の140億円となる見込みだ。山口ゆめ回廊博覧会の開催などにより「物件費」は6.5%増の123億2000万円。
[主な事業]
[新型コロナウイルス感染症への対応]新型コロナウイルスワクチンの接種(10億7768万円)▽安心の検査体制の確保(7444万円)▽「エール!やまぐち」プレミアム共通商品券の発行支援(7億1000万円)▽マイクロツーリズムの推進による消費喚起(山口ゆめ回廊博覧会の開催等、7億0628万円)▽市内事業者の「新しい生活様式」への対応に向けた支援(6000万円)▽湯田温泉魅力創造事業(1608万円)▽(仮)やまぐちオンラインマラソン大会の開催(600万円)
[アフターコロナにおけるデジタル社会を見据えた対応]=スマートシティ推進ビジョンの策定・推進(3000万円)▽ICTを活用した教育の推進(2021年3月中にすべての小中学校に一人1台配備されるパソコンなどを活用した学習活動の充実、1億5727万円)▽利便性の高い交通システムの構築(4908万円)▽スマート農業の推進(4570万円)▽スマート自治体推進事業(9930万円)▽電子入札推進事業(677万円)▽小・中学校と保護者との連絡手段のデジタル化(700万円)▽人工知能(AI)を活用した特定健康診査の未受診者対策(669万円)
[広域県央中核都市づくり関連]=新本庁舎の整備(7億8651万円)▽都市計画基本調査事業(亀山周辺ゾーン、中心商店街ゾーン、大内文化ゾーンの三つのゾーンを一体的なエリアに、4180万円)▽築山跡第1期整備事業(史跡公園整備と隣接地への駐車場・トイレの整備、1億1328万円)▽(湯田温泉への)多世代交流・健康増進拠点施設整備事業(2億3866万円)▽湯田温泉まちなか整備事業(公共空間を面的に整備、2500万円)
[個性と安心の21地域づくり関連]=「ふるさとにぎわい計画(地域再生計画)」の推進(地域資源を活用し、地域経済の活性化を図る、1億4651万円)▽中山間地域魅力発信事業(110万円)▽阿知須総合支所の整備(9億1411万円)▽徳地総合支所の整備(16億2659万円)▽地域づくり交付金(1億9884万円)▽やまぐち21地域巡りガイドブックの発行(163万円)▽外部人材活用事業(860万円)
[教育・子育てなら山口関連]=学校施設の長寿命化対策(12億9387万円)▽日本一“本”を読むまちづくり(2億0455万円)▽保育園(認可保育施設)等のさらなる整備(4億7473万円)▽中学生までの子ども医療費の無料化(8億9977万円)
[働く・起業なら山口関連]=新規就農者支援事業(4453万円)▽もうかる農業創生事業(1245万円)▽ふるさと産品営業推進事業(2億6745万円)▽立地等奨励金事業(5億2982万円)▽UJIターン就職促進事業(1308万円)
[文化・スポーツ・観光なら山口関連]=やまぐちヒストリア創出事業(2093万円)▽東京2020オリンピック・パラリンピックを契機とした地域活性化(6403万円)▽我がまちスポーツ推進事業(820万円)
[健康長寿のまち関連]=総合病院(山口赤十字病院、済生会山口総合病院)の建替え支援(8億3942万円)▽(仮)徳地診療所整備事業(1億0898万円)▽(仮)山口市成年後見センターの設置(954万円)
[安全安心のまち関連]=消防本部庁舎の建替整備(6022万円)▽山口市可燃ごみ指定収集袋へのバイオマスプラスチックの導入(4343万円)