山口商工会議所の第178回通常議員総会が、議員140人中138人が出席(内88人は委任状)して、湯田温泉の西の雅常盤で3月22日に開かれた。例年、総会後には渡辺純忠山口市長ら来賓を交えての交流会も開かれるが、新型コロナウイルス感染拡大予防のため、昨年に続き中止された。さらに、出席者はソーシャルディスタンスを保ちながら着席するスタイルで行われた。
まず、2021年度事業計画案および収支予算案が審議された。
基本方針には「昨年2月に『新型コロナウイルスに関する経営相談窓口』を設置し、緊急の経営相談への対応や、国をはじめ山口県・市から次々と打ち出される経済対策の活用促進を図りながら、資金調達や雇用調整助成金、補助金申請等、感染症拡大の影響を受けている企業への支援に取り組んでいる。4月には、山口市が進めている産業交流拠点施設に、山口県央連携都市圏域の商工会議所・商工会による活発な経済圏の形成につなげるために『山口商工会議所広域ビジネスサポートセンター』を開設。新型コロナウイルスを見据えた新しい生活様式に対応した『新事業創出プラットフォームモデル事業』に取り組み、豊かな地域社会を実現すべく、消費者ニーズの掘り起こしと地域の新しい需要を創出し、圏域内の中小企業・小規模事業者のデジタル化を推進する。引き続き新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済活動を両立させながら、事業者が直面する現状を国・県・市等関係機関に対し、継続して支援要望・提言を行う。今後、コロナ危機以前の水準までの回復は見通せない状況だが、会員事業所の持続的な発展と地域経済の活性化は商工会議所の使命であり、引き続き全力を傾注して取り組む」といった内容が盛り込まれた。
また、基本施策には「中小企業・小規模事業者が抱える経営課題解決のための経営戦略の手段として『デジタル技術』を活用し、効率的な経営に変えるITソリューションに特化した新事業創出支援の強化および新型コロナウイルスを見据えた新しい生活様式に対応した地域の需要創出・消費喚起につながるシステム構築の実証」「広域ビジネスサポートセンターにおける山口県央連携都市圏域の7市町・商工会議所・商工会等と連携した圏域版プラットフォームによる圏域企業の円滑な事業承継支援および新産業創出支援強化」「チョコレートの消費支出が高い市民特性を生かし、チョコレートに注目した商品開発および消費喚起に取り組み、経済活性化につながる事業を展開」「SDGsにつながるデザインウィーク事業(仮称)に関する意見提言および街活性化につながる事業への取り組み」「山口市の将来を見据えた山口都市核の魅力を高めるグランドデザインの検討・提案とシンポジウム開催による啓発への取り組み」「歴食サミットの開催による交流人口増加を目指した観光誘客と、山口市のシビックプライドの醸成、シティセールスへの寄与、新山口エリアと山口エリアの連携する事業の実施」「行政が取り組む山口市スマートシティー構想への意見提言および街活性化への取り組み」「地域の魅力の再発見・ふるさとへの就業促進につながるよう市内小学生を対象とした働く楽しさを体験し、地域で生きる力を育む職業体験事業の実施による将来の地域を担う人材の育成への取り組み」「業務改善へのDXの推進」などが掲げられた。
予算規模は、一般会計が約5億877万円で、共済事業等特別会計などを含めた合計は約8億2791万円。全会一致で可決された。
さらに、異動による松本圭さんから桶谷祥太郎さん(山口井筒屋代表取締役社長)への常議員の交代も承認。小郡下郷にあった小郡支所の3月31日の閉鎖および4月1日の山口市産業交流拠点施設内への移動や、コロナ禍における常議員会の表決方法の変更など、定款の変更も認められた。