右の絵図は江戸時代から幕末にかけて山口市小郡町の大庄屋を歴任した林家の農政関係文書、「林家文書」の一部で、山口市内を流れ、豪雨時には度々氾濫を起こしていた椹野川改修前後の様子を描いたものです。
椹野川改修工事は、林家十代当主林勇蔵たちが中心となって明治20(1887)年から9年の歳月をかけて進められました。大変な難工事でしたが、完成によって下流地域の水害が激減するとともに、平野部の田畑に豊かな水が広く行き渡るようになりました。
標記の「宝山の一角」を山口大学と山口県立山口博物館の主催で開催します。絵図のほかに、会場となる山口博物館では山口大学所蔵の山口県と関連する考古学資料、陶磁器、岩石標本、鉱石などを紹介するテーマ展を、また常設展でも本展に関連する資料を紹介します。会期は4月28日から6月20日までです。ぜひご覧ください。
山口県立山口博物館 学芸員 荒巻 直大