公開講座「犯罪被害者等の置かれた立場」が、5月16日(日)午後1時半から3時まで、山口被害者支援センター(山口市小郡新町1)で開かれる。講師を務めるのは、北口忠さん。
北口さんは2004年10月5日の午後、広島県廿日市市の自宅で、当時17歳の娘・聡美さんを殺害された。自身は勤務中で、自宅にいた母も被害に。その後、10年以上にわたり未解決の状態が続いたが、2018年4月に宇部市在住の男が犯人として逮捕され、2020年4月に刑が確定した。
講演では、事件後の悲しみや近所の人たちとの距離感、報道による二次的被害、2009年に入会した殺人事件被害者遺族の会「宙の会」について、なかなか事件が解決せずに時効が迫ってくる中で書き続けたブログ、犯人が捕まってからの思い、などについて聞くことができる。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、会場での聴講人数は先着15人に限定された。そして、テレビ会議システム「Zoom」を使って、100人がオンライン聴講できる。どちらも、事前申し込みが必要だ。
事件・事故の被害者やその家族は、平穏な日々からある日突然、犯罪そのものによる直接的な被害だけでなく、精神的被害や経済的負担など、さまざまな困難に直面することになる。この講演会は、被害者らの置かれている状況や、平穏な暮らしへの配慮の重要性などを、一人一人に深く理解してもらうことを目的に開催される。
5月から8月にかけて、被害者支援員養成講座
山口被害者支援センターではさらに、被害者支援に関心ある人たちが、専門的ボランティア「被害者支援員」になれる養成講座(受講無料)も開催。①入門講座(全3回)と②初級講座(全7回)があり、5月から8月にかけて開かれる。今回の公開講座は①の第1回も兼ねており、被害者支援員になるには、①②のうち8回以上の出席が必要だ。講師は、警察関係者、被害者遺族、弁護士、臨床心理士、大学教員、同センタースタッフらが務める。
すべて、申し込み・問い合わせは同センター(TEL083-976-5152)」へ。ウェブサイト(https://vs-yamaguchi.net/)からの申し込みも可能だ。