2018年6月に制定された「働き方改革関連法」は、2019年4月から順次施行されている。この4月からは、中小企業も「非正規雇用の均等待遇」が求められるようになった。
山口県はこのほど、2020(令和2)年度の「働き方改革推進実態調査」の結果を発表した。調査時点は2020年6月30日で、2019(令和元)年度の状況を聞いている。回答したのは、同県内の従業員5人以上の904事業所だ。
まず、義務化された有給休暇の取得状況については、「平均付与日数」は17.3日(前年は16.6日) で「平均取得日数」は11.0日(同9.6日)。取得率は63.6%(同58.1%)だった。
次に、育児休業の取得率は、女性が98.5%(同95.9%)で男性が10.9%(同4.86%)。全国平均は、それぞれ83.0%と7.48%でもあり、男女とも前回調査および全国の取得率を上回っている。
また、介護休業の取得率は、女性が0.16%(同0.13%)で男性が0.03%(同0.03%)だった。
「ワーク・ライフ・バランス」に資する制度の有無については、3項目を質問。「育児、介護等を理由として離職した従業員の再雇用制度」が「ない」のは70.7%で「ある」は26.0%。「育児・介護以外の理由による短時間・短日勤務制度」が「選択できない」は61.2%で「選択できる」は34.8%。勤務終了後、次の就業までに一定時間以上の休息時間を確保する「勤務間インターバル制度」を「規定していない」のは73.3%、「検討中」は12.2%、「規定している」は10.8%だった。
さらに、「働き方改革」に「取り組んでいる」のは、802事業所。その内容で多かったのは、「有給休暇の取得促進」(78.2%)、「時間外勤務の縮減」(71.2%)、「業務マニュアルの作成等」(34.9%)、「従業員のスキルアップ」(31.4%)、「ノー残業デーの設定」(30.8%)など。その中で「効果をあげている」内容は、「有給休暇の取得促進」(20.9%)、「時間外勤務の縮減」(12.6%)、「変形労働時間制度・フレックスタイム制度」(6.9%)、「会議の時間や内容、進め方の見直し」(5.7%)、「ノー残業デーの設定」(5.0%)の順だった。そして、「テレワークや在宅勤務制度の導入や活用促進」については、「取り組んでいる」が14.6%(前年は3.1%)で、「予定・検討中」が14.2%(同8.4%)。「効果をあげている」は3.2%(同0.3%)だった。
そして、「働き方改革を進める上での問題点」には「人手不足」(48.1%)、「従業員の意識・価値観」(43.4%)、「特定の人に業務が偏りやすい、業務の属人化」(35.4%)、「繁忙期と閑散期のギャップや突発的な業務」(30.9%)、「職場の風土・雰囲気」(27.9%)が挙げられている。