山口市中尾の大内氏遺跡「凌雲寺跡」。大内氏第30代当主大内義興の菩提寺跡との伝承があり、国の史跡です。
近隣では珍しい舌状台地上にあり、伝惣門跡の豪壮な石壁(全長約67メートル)だけが残る遺跡ですが、平成21年度以降毎年度、山口市文化財保護課による発掘調査が進められています。
此処は、大内氏の居館があった今の龍福寺辺りからは、地図上の直線距離では約4.5キロ、湯田から吉敷を通り東鳳翩山登山口を目指して行くルートでは約8.5キロの行程ですが、自然豊かな田園地帯の中にあり、他に人が集まる施設等もないため存在を知らない人も多く、隠れた佳境と言えるかもしれません。
台地中央の高台に佇むと目に入るのは、青山とゆったり流れる白雲と田園風景のみ。自然の気のエネルギーを総身に浴びながら、鳳凰が羽を翻し白雲に乗ってやってくるイメージを膨らませ、雲を凌いで天空に想いを馳せることもできます。雑念払拭にはもってこいの場所です。広々とした台地で心地よい風を受けながら静かに音楽に耳を傾け大自然とのハーモニーを満喫すれば、疲労回復間違いなしです。
このように気を養うことができる環境、なかなかありません。多くの方に一度は訪れてみていただきたい佳境であると思います。
投稿者:藤井薫さん(凌雲寺跡歴史探訪会)