毎年、国指定天然記念物のゲンジボタルが見頃となる5月下旬から6月上旬に設定される「一の坂川 ほたる観賞ウイーク!」は、今年は5月29日(土)から6月4日(金)までとされた。一の坂川沿いでは、午後8時ごろからホタルが光り始め、8時半から9時に見ごろとなる。
「大殿ホタルを守る会」によると、同地域におけるゲンジボタルの発生数は、22日が154匹(2020年127匹、2019年16匹)、23日が246匹(同169匹、43匹)だった。同会事務局長の岡田勝栄さんは「今年の初見日は5月8日で、ここ数年で最も早かった。その後も、6年ぶりに1000匹の大台に回復した昨年同様のペースで順調に増えている。天候にもよるが、6月1週目にピークがくるのでは。人との距離は保ちつつ、ホタルの鑑賞を楽しんで」と話している。
ここ数年、予想ピークを迎える途中で発生数が減少する傾向が見られていたが、昨年は6月1週にピークを迎え、6月6日の1102匹が最多だった。減少、増加ともに原因は不明のため、「解明はこれから」と同会。
同地区に初夏の風物詩「蛍かご」を設置したのは、山口市内の任意団体「つむぎラボ」。名田島産の麦わらを使い、メンバー7人で110個を制作。昨年より7施設多い25施設の軒先につるした。「大殿の初夏の風物詩になるよう、これからも続けていきたい。町家の風情とともに見て、和んでもらえたら」と、代表の粉川妙さん。
「家にいながらホタルを楽しんでもらおう」と、動画配信も実施される。期間は5月29日午前9時から6月4日まで。動画投稿サイトユーチューブの「山口観光コンベンション協会公式チャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCHvSxc0hb77VgGP7c5GphoA)で視聴できる。ホタルが飛ぶ様子だけでなく、大殿小の児童によるゲンジボタルの幼虫を放流する様子や、一の坂川沿いにあるゲンジボタルを詠んだ大内氏の歌碑の紹介など、約10分の動画になっている。
なお、一の坂川・竪小路周辺で開催される「ほたる祭り」は、2020年に続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となった。