世界保健機構(WHO)は、1970年にたばこ対策に関する初めての世界保健総会決議を行い、1989年に5月31日を「世界禁煙デー」に決定。その後、日本でも1992年に厚生労働省が、世界禁煙デーに始まる一週間を「禁煙週間」に定めた。
山口県でも、2019年10月に改定した「山口県たばこ対策ガイドライン(第3次)」に基づき、たばこ対策に取り組まれている。
喫煙のリスク
日本では、年間約13万人が喫煙に関連する病気で死亡している。喫煙者(男性)が、がんで死亡するリスクは、肺がんが4.8倍、尿路(膀胱・腎盂・尿管がん)がんが5.4倍、咽頭がんが5.5倍。また、動脈硬化、脳卒中、糖尿病といった生活習慣病に代表される多くの病気を引き起こすことや、認知症の発症リスクが2、3倍高くなることもわかっている。
さらに、新型コロナウイルス感染症では「喫煙者は、人工呼吸器が装着される、あるいは死亡する危険性が非喫煙者の3倍以上になる」ことが明らかになっており、日本呼吸器学会は「喫煙は新型コロナウイルス肺炎重症化の最大のリスク」と発表している。
受動喫煙防止
受動喫煙とは「自分の意志に関わらず、他人の煙を吸わされること」だ。日本では、受動喫煙による死亡者が年間約1万5000人と言われている。
2019年7月に学校、病院、児童福祉施設など行政機関が原則敷地内禁煙となり、2020年4月には様々な施設での「原則屋内禁煙」義務化がスタートした。
禁煙するには
自分にあった禁煙方法を見つけ、計画を立てよう。禁煙する理由を明確にし、周囲にも禁煙を宣言。どんな時にタバコを吸いたくなるかを分析し、ガムをかむ、深呼吸をするなど、「吸いたい」気持ちをそらす行動が求められる。
禁煙は「予防できる最大の死亡原因」だ。自力でうまく禁煙できないときは、下記に掲載の医療機関を受診して、相談したり、禁煙外来を利用しよう。