「おーい、カラスが巣を作っているぞ」 夫の声で見上げると庭の栴檀(センダン)の木に巣が出来ています。三味線のバチのような尾羽がのぞいているので卵を抱いていることがわかりました。
カラスが営巣を始める3月の朝は真冬と一緒、寒いです。春の嵐はちょっとした台風並みで一晩中雨風が叩きつけ、もうダメ飛ばされていると何度も思いました。5月の暑いときは容赦なく日が照りつけます。そのような中で親鳥たちは交替で黙々と餌を運び続けていました。
ところで、皆さんは意外にご存知ないかも知れませんが、カラスの子育て中の巣を壊すことは禁じられています。ツバメが保護されていると同じように、カラス、ハト、スズメなども鳥獣保護法で捕獲したり殺傷することはいけないとされています。しかしカラスはゴミ袋を破って散らかすし、大声で威嚇します。カラスは悪い鳥、嫌いだと多くの方がおっしゃいます。ヒトと動物が生活をしていく中で上手く棲み分けのできるような工夫があればいいなと思います。
巣立ちをした明くる日の夕刻 「カー、カー、カー」と大声でカラスが呼んでいます。あわてて外を見上げると電線にカラスが4羽、間違いなくあの家族がいました。前日巣からなかなか離れられなかった下の子が、不器用に羽をばたつかせているので分かります。親子揃って姿を見せに来てくれたのでした。
5月は愛鳥週間でした。自然の中で生活している鳥を大切にし、守ろうという思いを込めて作られたそうです。聞こえてくる野鳥の声に耳をすませてみるのも面白いかも知れません。
投稿者:なかとうあおいさん