財務省山口財務事務所(TEL083-922-2190)は、四半期ごとに実施している「法人企業景気予測調査」の結果を、このほどまとめた。調査時点は5月15日で、今期(2021年4~6月)の現状、翌期(7~9月)の見通し、翌々期(10~12月)の見通しについて山口県内116社に判断を求め、112社が回答した。内訳は、製造業が39社(34.8%)で、非製造業が73社(65.2%)。企業規模では、大企業(資本金10億円以上)が27社(24.1%)、中堅企業(同1億円以上10億円未満)が28社(25.0%)、中小企業(同1000万円以上1億円未満)が57社(50.9%)だ。
まず、今期の「景況判断」が、前期に比べ「上昇」したと答えた企業は17.0%で、「下降」は26.8%だった。BSI(「上昇」と答えた企業割合から「下降」と答えた企業割合を引いた景況判断指数)はマイナス9.8ポイント。2004年の調査開始以来最悪の指数・マイナス52.5ポイントだった2020年4~6月期を底に、11.1ポイント(2020年7~9月期)、14.7ポイント(同年10~12月期)と回復傾向だったが、3期ぶりのマイナスとなった2021年1~3月期(マイナス0.9ポイント)から2期続けてのマイナスとなり、その幅も大きくなった。
業種別にみると、製造業は15.4ポイントのプラスだったが、逆に非製造業はマイナス23.3ポイントだった。規模別にみると、大企業は3.7ポイント、中堅企業が3.6ポイントのプラスで、中小企業はマイナス22.8ポイント。
また、翌期は2.7ポイント、翌々期は7.1ポイントのプラスに転じる見通しだ。
次に2021年度の「売上高」(回答80社)は、前年度比15.4%の増収見込み。製造業は食料品などで減収となるものの、石油・石炭、化学などの増収によって18.3%の増収見込み。一方非製造業は、建設などで減収だが、情報通信や運輸・郵便などが増収で、0.3%の増収見込みとなっている。
そして2021年度の「経常利益」(同80社)は、前年度比29.1%の増益見込み。製造業は業務用機械などで減益となるものの、石油・石炭、パルプ・紙等が増益で、36.0%の増益見込み。逆に非製造業は、情報通信などで増益となるものの、小売や建設などが減益で9.1%の減益見込み。
また、2021年度の「設備投資」(同91社)は、前年度比1.9%の増加見込み。製造業は化学、窯業・土石などで6.6%の増加だが、非製造業は小売、鉱業・採石等で減少するためマイナス27.8%の減少見込みだ。
「雇用」の現状BSI(同102社)は、13.7ポイントの「不足気味」超。コロナ禍でも、翌期は14.7ポイント、翌々期は17.6ポイントと、「不足気味」超幅は拡大していく見通しだ。