山口商工会議所(河野康志会頭)の179回目となる通常議員総会が、6月21日に山口市湯田温泉のユウベルホテル松政で開催された。議員140人中出席したのは49人で、委任状出席は91人だった。また、渡辺純忠山口市長、村上満典山口市議会副議長、田中勇同市議会経済建設委員長の3人が、来賓として出席した。
まず、2020年度の事業報告および収支決算が報告され、全会一致で可決された。
同年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、同商議所の事業は計画からの大幅な変更を余儀なくされた。まず、「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口」を設置し、全所をあげて中小企業・小規模事業者に対して経営支援。深刻な打撃を受けている事業者の実態調査も計5回実施し、現状を踏まえた市内経済活性化策の強化・拡充を都度行政に陳情した。そして、「エール! やまぐちプレミアム共通商品券」「新しい生活様式導入応援補助金」「雇用調整助成金申請支援事業」などの山口市からの業務受託や、独自の販売促進掲示板「テイクアウトde山口」の立ち上げ、事業者への融資あっせんなどに、積極的に取り組んだ。
一方では、デジタル化など「新しい生活様式」に対応し、今後のDX(デジタルトランスフォーメーション)化や新事業創出・展開の企業支援を行えるよう、JR新山口駅に隣接した山口市産業交流拠点施設内への「山口商工会議所広域ビジネスサポートセンター」開設準備を進めた(今年4月にオープン)。
また、交流人口の増大を目指した事業は、年度前半はほぼ中止に。11月に、山口市が「チョコレート支出金額日本一」だったことを受けた「Chocofuror(チョコフロール) Yamaguchi!」事業を開催。24年目を迎えた「日本のクリスマスは山口から」事業は規模を縮小し、イルミネーション点灯式を無観客で開催するなどした。
2020年度の決算規模は、新型コロナ対策事業委託による金額の増加と、事業中止等による減少とが混在することになったが、全体では約9億1900万円と過去最大になった。次年度繰越金は、約9026万円だ。
なお、3月31日時点での純会員数は、個人が1144、法人が1458、団体84の計2686。2020年度の加入は94、脱会は96だった。特定商工業者負担金を納入する301事業所を加えると、総会員数は2987になる。脱会の理由は、「廃業・倒産・代表者死亡等」が48で、ほぼ半数を占めている。
議事では、異動による常議員の選任議案もあり、高橋徳雄さん(KDDI山口技術保守センター長)、石田晋作さん(山口新聞山口支社長)、山岸功英さん(みずほ銀行山口支店長)の就任が承認された。
そして議事終了後、「山口市中心市街地 未来都市構想」の発表および意見交換の時間がとられた。構想をまとめた「山口未来構想特別委員会」(川口雄一郎委員長)のメンバーが、「よその人に誇れる『山口自慢』を一つは持っていたい」「山口の持つ多様性に初めて気づかされた」「山口でどのように暮らし、仕事をし、遊ぶのか、ソフト面から考えていった」「看板なども含め、景観の美しい街並みにしていけたら」等、各々感想を述べ、構想が説明。議員からは「街なかに映画館を核としたアミューズメント施設が欲しい」「新型コロナウイルスにより、都会の人は『逃げて』いる。中世の大内氏が海外文化を受け入れたように、文化の異なる他県の人たちを受け入れていきたい」などの意見が出た。同構想は6月25日(金)にウェブサイトで公開され、6月26日(土)付サンデー山口に2ページにわたる意見広告として掲載される。