縄文時代の土偶、あの有名な「遮光器土偶」を二十年前に作った。粘土をこね、友人の窯で焼いてもらった。土偶の奇妙な大きな目と手足の形、その迫力に魅力を感じ是非とも手にしたかったのだ。本に“両腕のつけ根附近に遠慮がちに作られた小振りの乳房が女性を物語る”とあった。私は、おおらかな神を感じた。庭に置いて愛でた。
その土偶が劣化し足がもげ、首が落ち、苔がつき黒ずんできた。新しいのを作りたい。縄文土偶を数十体ずらり玄関に並べたい。中空土偶にみみずく土偶、縄文のビーナス等々。遮光器土偶だけでも550点あるという。
大きな精密な写真はないかと探したら、「土偶を読む」(竹倉史人著)という本にであった。カラーで遮光器土偶(亀ヶ岡遺跡)があり、なんとその横にサトイモがあった。何故、サトイモ?
「土偶の変遷は重点的に利用された植物資源の変遷を示している」とある。縄文年代に縄文人が主たる食料にしていたもののフィギュア、植物の人体化であるという説だ。
ハート形土偶はオニグルミ、椎塚土偶は蛤、刺突文土偶は稗。「遮光器土偶」は、サトイモの精霊像である。あの目は、親イモの頭部から子イモを取りはずした時にできる陥没の形だ。見える、見えてくる。
作ろう。コロナ自粛の産物を。