2020年の山口県内への観光客数は2209万2287人で、2019年(3601万3120人)から1392万833人減少し、前年比61.3%だった。4月から5月にかけて全国を対象に発出された緊急事態宣言に伴なう旅行控え、施設の臨時休館、イベントの中止等、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた。一方、延べ宿泊者数は311万2930人。前年の376万1960人から64万9030人減少した。前年比82.7%で、観光客数の減少割合と比べるとマイナス幅は小さかった。これは、県による7月からの“県民に、県内宿泊施設に宿泊してもらおう”との施策「行こうよ。やまぐちプレミアムキャンペーン」が好調だったこともあり、9月から12月までは前年比増で推移。結果的に、観光客数・宿泊者数とも、減少率は全国で最小となった。
一方、山口市内への観光客数は304万552人で、前年の515万6337人より211万5785人減少した。前年比59.0%で、県平均よりもマイナス幅は大きかった。宿泊者数は53万8772人で、同じく90万2195人から36万3423人の減少。前年比59.7%で、観光客数と同じような落ち込みだった。
山口市観光交流課では「新型コロナウイルス感染症拡大により大きな影響があったが、国や県による観光需要喚起の経済対策や、本市における宿泊券や商品券の発行事業など、観光誘客の促進と市内の消費喚起の取り組みにより、夏から秋にかけては観光客数の回復が進んだ。また、コロナ禍においてニーズの高まった屋外レジャー施設などの利用者増加により、観光客数の減少幅抑制が図られた。とはいえ、年間の観光客数は大きく減少。過去10年間で最も少なかった」と総括している。
また、山口県内を市町別に見ると、観光客数トップは下関市で382万239人(前年比53.7%)、2位は萩市の319万9061人(同71.0%)で3位が山口市だった。以下、④防府市・186万1637人(同77.7%)⑤長門市・163万6299人(同67.9%)⑥岩国市・136万6079人(同42.4%)⑦宇部市・109万9698人(同60.2%)⑧周南市・100万4905人(同60.9%)⑨美祢市・95万1669人(同66.0%)⑩山陽小野田市・73万9034人(同63.7%)⑪周防大島町・70万9486人(同66.1%)⑫柳井市・48万1417人(同61.4%)⑬光市・46万6544人(同50.9%)⑭下松市・43万61人(同52.8%)⑮阿武町・37万6093人(同89.3%)⑯田布施町・32万5624人(同88.6%)⑰上関町・26万1519人(同73.0%)⑱平生町・18万9137人(同93.9%)⑲和木町・13万3233人(同70.8%)となっている。