『小村雪岱スタイル』展、行ってきました。2021年7月21日の本紙に掲載された『サンデー美術館279』の『見立寒山拾得』の解説に惹(ひ)かれてぜひとも、美人の二人、福子とお琴を見たい、と思った。もちろん小村雪岱の絵も工芸品も私を惹き付ける。入館時には、手指消毒、氏名記入、体温測定。
静かに一人で鑑賞した。外目には寡黙に作品に魅入っているように見えるかもしれないが、実は私は二人連れ。身体の中に飼っているもう一人の私Aとおしゃべりしながら鑑賞した。
私―二人共、細いね。私の半分しかない。
A―独活(うど)の和え物に豆腐。蕎麦に山芋を柔らかくすったものをかけた淡雪蕎麦。そんなもの食べてたような身体ね。
私―この時代の美人なのね。同じ顔してる。着物は、梔子(くちなし)色と水浅葱(みずあさぎ)色かな?
A―この葉は何かしら? 大きいよ。
私―七夕の短冊の代わりなんだから、上手く字が書ける葉。
A―どんな願い事を書くのかしら。真剣な表情だよね。
私―今のアフガニスタンの人と同じよ。“彼等の願いはただ二つ、三度三度のご飯が食べられること、家族一緒に故郷でくらせること、それだけだ”(中村哲)。
A―寒山拾得の二人の僧。あの方達、可愛いよね。
私―オリンピック選手の中に二人に似た顔を見たよ。
A―皆、繋がってるのよ。