友人が手作りの惣菜を持ってきてくれた。旬の野菜と魚の和え物。「凄い、どうやって作るの」と私。友人は丁寧に説明してくれたが、手が込んでいて、私には無理。魚を三枚に下ろすと聞いた時点で降参。食べたら腸に染み入るほどの金メダルの味だった。「又、作ってね」と電話した。
料理は嫌いではないが、複雑な手の込んだ料理を作る気はない。料理本を見て作り方が三行以上に及ぶものは諦める。材料に知らない物がある時も諦める。横文字が多いのも諦める。
国や県、市役所、税務署等の機関からのお知らせの文章を読むのも苦手。理解しようと赤鉛筆を片手に線を引きながら読むけれど、わからない。日本語で書いてあるから、一つ一つの言葉の意味はわかる。しかし、全体として理解できない。結局私はどうすればいいの? 振込用紙が入って金額まで記載されているから払えばいいのね。諦めましょう…というわけにはいかないので、再度私にとっては難解な文章に挑戦する。“お上がなされることに間違いはない”。時代小説では度々目にする文章だ。善政を行った藩主の転藩のとき、住民が涙を流して別れを惜しんだ、ということもある。悪政の時は一揆も起こった。さて、さて。
諦めたり、諦めなかったり、今日も暮れてゆく。