過日、山口市駅通り二丁目の「常妙寺」に「浄行菩薩堂」が完成した。このお寺は、室町時代に「足利尊氏」が勧請したといわれ、境内には尊氏が腰を掛けたとされる石がある。
昨年来「日蓮聖人生誕八百年慶賛事業」として檀信徒会館や境内の改修工事が行われており、その一環として境内の隅に雨ざらしで祀られていた「浄行菩薩石仏」を安置する御堂が建立された。
「浄行菩薩」は法華経に出現する菩薩で、水であかや穢れを清めるように、人間の煩悩の汚れを取り除いてくれると言われ、古来より人々は「洗い仏(あらいぼとけ)」と呼び、その体に水を注ぎ、たわしでこすって、病気や怪我などの悩みからの救済を祈願した。
御堂は、木造瓦葺きで、三方を壁で囲み、石で作られた蓮華台の上に石仏が安置されている。正面から見た菩薩の頭上には日輪が配されている。
また、センサー付きの給水栓により、節水にも考慮し、御堂の並びには疎水も造られ、注がれた水がここを流れて排水されるように工夫されている。
副住職の「地域とのつながりを大切にしたい。」という強い思いを入れて山門入り口の道路沿いに建てられており、誰でも気軽に参詣できるように、お参りの方法も案内板が設置してある。
山口の「洗い仏」は中心商店街のすぐ近くにあるので、買い物がてらの参詣もお奨め。
投稿者:葉梨好三さん