新型コロナワクチンを二回接種し、二週間経過後、感染対策のしてある店で従兄と昼食を一緒にした。二年振りで話もはずんだ。マスクをつけたりはずしたりの忙しい食事であった。対面ではなく並列に座った。従兄は、近頃の新刊本の話や、草花の名前、漢方の知識、親戚の近況などを教えてくれた。知らないことばかりだったので興味深く聞き入った。これで私の知識は増え、今までの少ない情報の上に積み重なり、上書きされ保存された。(すぐに忘れるけれど)。別れがたくて、二人でぶらぶら散歩した。
あくる日、起き上がろうとしたら、頭が痛い。大きく息を吸い込み背伸びをしたら、足がつった。
自粛し誰にも会わず、よって知識も増えず、貧しい頭に上書きがなされないままだ。外食もせず、人ごみにも出ずにいたので、久しぶりの外出と会話で頭が混乱したのだ。散歩で足が疲れたのだ。自粛生活をしていなければこんなことにはならない。新型コロナウイルス感染拡大防止生活は、地方のなにもかも貧弱な七十五歳の私にも影響を及ぼす。人は、叱られ、褒められ、笑い、共感し合ったりしなければ生存している気がしない。干からびていく。
ゆっくりと起き上がり(寝ていては水一杯飲めない。生活が動かない)、首を回す。