防長(山口県)出身の幕末の志士・大楽(だいらく)源太郎(1834~1871)をご存じだろうか。作家・司馬遼太郎の著書「木曜島の夜会」や「花神」にも登場する人物で、決して無名な人物とは言えないが、一般的にあまり知られてはいない。
大楽の没後150年を記念した企画展「大楽源太郎の生涯~玄瑞の友! 益次郎暗殺の黒幕?」が十朋亭維新館(山口市下竪小路、TEL:083-902-1688)で12月20日(月)まで開催されている。11月23日(火・祝)まで前期展、同25日(木)から後期展となり、作品が一部入れ替えられる。また、11月23日(火・祝)、12月4日(土)の各午後1時半から45分程度、同施設学芸員の立石智章さんによるギャラリートークが開かれる。事前申し込み不要で参加は無料(要入館料)。
大楽は、1834年に萩城下に生まれた。成長してからは僧・月性に学び、儒学者・梅田雲浜(うんぴん)、西郷隆盛らとも交友を深め、久坂玄端らと国事に奔走した。1866年、大道(防府市)に私塾「西山塾(せいざんじゅく)」を開設。1869年までのわずか3年間の短い期間だったが、近隣から百数十人の入門者があったと言われている。後の内閣総理大臣・寺内正毅も同塾の出身だ。同年(1869年)、門下生の神代直人、団伸二郎・大田瑞太郎らが大村益次郎を襲撃し、大楽は教唆を疑われて幽囚の身となった。さらに翌年、奇兵隊など諸派による脱隊騒動の首謀者との嫌疑を受けた大楽は、豊後、久留米へ逃亡する。しかし、1871年3月16日、新政府からの追及を受けた久留米藩人により潜伏先の久留米で暗殺された。
今回の展示では、尊王攘夷の“大義”に生きながら、最期は同志によって討たれなければならなかった大楽の生涯を、関連資料とともに振り返ることができる。
「幕末明治維新漫画コンテスト」優秀作品などの「お披露目会」と展示、11月20日から12月27日まで
同館は、山口市=幕末・明治維新ゆかりの観光地というイメージの定着や、山口市に対する市民の郷土愛の醸成を目的として、「幕末明治維新漫画コンテスト」を初めて開催した。「4コマ漫画」「1コマ漫画」「キッズイラスト」の3部門に、17都道府県・56人から80作品の応募があり、山口県出身で日本漫画家協会中国ブロック副ブロック長、徳山大学経済学部特任教授のなかはらかぜさんらによる審査の結果、優秀作品が決定した。11月20日(土)午前10時から、同館本館のガイダンスゾーンで、最優秀賞(各部門1作品)の除幕と、優秀賞・入選作品が発表される「お披露目会」が開催。観覧無料で、なかはらさんの講評を聞くこともできる。なお、同会の様子は同館のYouTube公式アカウント(https://www.youtube.com/channel/UCEOwooliNJtirsglMvi501Q/about)でもライブ配信される。
また、入選作品は、同会終了後の10時半頃から12月27日(月)まで、同館萬代家主屋に展示され、観覧できる。
開館時間は午前9時から午後5時までで、火曜(祝日の場合は翌平日)休館。観覧料は高校生以上200円、小中学生100円。問い合わせは同施設の指定管理者NPO法人大路小路まち・ひとづくりネットワーク(TEL083-902-1688)へ。