山口市指定文化財「西郷家文書」を紹介する企画展「西郷家文書―つわものどもが筆の跡」が12月12日(日)まで、山口市歴史民俗資料館(山口市春日町5、TEL083-924-7001)で開かれている。10月にスタートした同展は、11月8日から10日に展示替えされ、現在は後期展が開催中。
「西郷家文書」とは、豊前国(福岡県・大分県)を本拠として活動した武士の一族・西郷氏にまつわる文書群を指し、中世から現代に至る紙の史料43点および木製の文書箱1点からなる。
西郷氏は中世後期には大内氏の家臣となったことから、大内氏の実態を知る上でも貴重な史料群とされている。個人が所有していたものが2019年に同館へ寄贈。2020年10月1日に山口市文化財に指定された。また、2021年度には巻物の状態で27通の古文書が収められていた「成巻文書」を、はく離して「まくり」という表装されていない状態にするなどの修理事業も行われた。
同展は、同館開館40周年を記念した企画展。これまで特に注目されてきた中世史料のみならず、近現代の史料も公開され、27点の史料とともに、「西郷家文書」の歴史や成立について紹介されている。さらに、入館者には出品目録とともに、修理事業の過程を紹介した資料も配布される。
山口市歴史民俗資料館は、歴史・民族・考古に関する史料の保存と活用をはかるとともに、郷土の歴史と文化に対する市民の知識と理解を深め、文化向上に資することを目的に1981年に設置された。館内の常設展示スペースには、古代から近代までの山口市の歴史・文化が史料とともに紹介されている。
開館時間は午前9時から午後5時まで(入館4時半まで)。観覧料は一般110円、18歳以下、70歳以上は無料。