弊社主催の「2022年新年写真コンテスト」には、県内外から60人・133点の応募が寄せられました。山口県立大学でデザインや写真表現などを研究されている国際文化学部の倉田研治准教授に審査委員長を務めていただき、弊社・開作真人社長とともに、2021年12月7日に審査いたしました。
その結果、最優秀賞には古谷勝弘さん(宇部市)による「ツワブキ野」が選出。古谷さんには、賞状と賞金3万円を贈呈します。
また、優秀賞には岡本公一さん(山口市)の「甘えん坊」、金重ゆりさん(同)の「門出」、白石健太さん(宇部市)の「悠久の地球」の3点が選ばれました。それぞれ、賞状と賞金5000円を贈呈します。
「佳作」10点に選ばれたのは、吉田崇宏さん(山口市)の「みんなちがって、みんないい。」、中村弘枝さん(宇部市)の「歓喜」、広田和夫さん(同)の「安寧の世を願って」、古谷眞之助さん(山口市)の「大内っ子まもり隊」、村田宏樹さん(宇部市)の「春を感じる」、本村貞明さん(山口市)の「落ち椿」、山本益德さん(同)の「河童(狛犬)」、松本康志さん(島根県津和野町)の「天空の城跡」、里岳志さん(宇部市)の「隧道」、齋藤暁さん(山口市)の「宝恵籠が揺り籠に」でした。それぞれ賞状を贈呈します。
撮影地は、すべて山口県央都市圏域内になります。ぜひ現地にも足をお運びください。
すべての写真は、こちらの特設ページでご覧いただけます。
「2022年新年写真コンテスト」講評
審査委員長 倉田 研治
[総評]
新年の幕開けにふさわしい充実した内容の作品がたくさん届き、今回は応募作品数が過去最多となった。対象エリアは前回より、山口ゆめ回廊(山口県央連携都市圏域)に拡大されて、様々なロケーションを撮影した作品が寄せられた。身近な場所での発見、特別な風景や瞬間を捉えたものなど、それぞれの視点が丁寧に作品化されている。コロナ対策により制約の増えた日常の中でも、写真表現を楽しみ、作品を創作する姿勢から、年代を問わず身近な地域や人を思う気持ちが感じられた。
サンデー山口では、紙面とウェブを通じて当コンテストの入賞・入選・佳作作品も読者に届けられている。紙面掲載の作品は、ちょうどその時期の写真を載せていることもあるので、楽しみ方のひとつとして気に留めてもらえると嬉しい。
これからも、カメラやスマホを片手に、身近な地域や出来事などへ、まなざしを向けてほしい。写真とともに日々の生活が豊かな気持ちで楽しめることを期待している。
[最優秀賞]
最優秀賞の「ツワブキ野」は、SLが橋を渡る瞬間を捉え、全体の雰囲気をつくる逆光も効果的である。空、水面、花が輝くことで、前向きなワクワク感が伝わってくる。多くの要素が整理され、光と空間を丁寧に構成した秀逸な仕上がりである。
[優秀賞]
優秀賞の「甘えん坊」は、今年の干支である虎の子どもをバランスのよい構図におさめている。虎の子ども目線までカメラを持っていき、臨場感も創出されている。しぐさを絶妙に捉え、瞬間性も兼ね備える優れた作品である。
「門出」は、日常の中から微笑ましい光景が巧みに切り取られている。暮らしている地域の様子と、子どもたちの距離感が心地よい。安定感のある構図におさめられ、幸先のよい未来に向けた始まりを感じさせる仕上がりである。
「悠久の地球」は、天体からの光、人工物、地質や地形、草木など異なる時間軸を持ったものが集約されている。美しい色調や質感とともに、様々な思いを馳せることが楽しめる構成である。