山口市黒川の諏訪山に鎮座し、「荒神様」として親しまれている高倉荒神社で、2月28日(月)に五穀豊穣や家内安全を願う春季大祭「高倉荒神祭」が開催される。その年の稲の作柄を占う“御例(おためし)神事”の結果が貼り出され、参道には露店が連なり、「福みくじ」などの催しも楽しめる。
荒神社は全国にまつられており、その多くは台所の神、山の神、地域の共同体の神として奉られている。高倉荒神社は主に五穀豊穣の神として祈願・感謝されており、大内氏の始祖と伝えられる琳聖太子が百済から渡来した際、佐波郡多々良浜(現・防府市)に着くと同郡高倉村に一社を建立し、高倉荒神社として崇めたのが起源という。その後遷座を重ねて、1911(明治44)年に恒冨八幡宮そばの現在の地に移築された。
毎年2月28日の大祭に先立ち、節分には古式にのっとった御例神事が執行される。高倉山8合目付近に、岸壁からしみ出た水でできた三つの御例池がある。この池の水位は、山の土が含んでいる水の量と連動しているとされ、これを見てその年の稲の作柄を占う。大祭当日の午前0時に「早稲何合、中稲何合、晩稲何合」といった米の出来高を記した御札が貼り出され、どの時期の稲を植えるかの指標にされてきた。当たる確率は高いと言われ、気象予測や農業技術が進歩した今日でも、その観測方法には信頼が寄せられている。
また、大祭の参加者たちは、田植え後の6月28日に豊作を祈願して、再び同神社にお参りをする。
露店や福みくじ
鳥居から同神社までの参道約200メートル間には、飲食などを提供する露店が軒を連ね、拝殿近くでは日本酒(一升)やお菓子や文房具などが当たる「福みくじ」(1回200円)を引くことができる。
なお、当日は感染症対策として、境内各所や露店などに消毒スプレーや飛沫防止ビニールが設置される予定だが、マスクの着用など、各自で予防に努めることが求められている。
神社周辺で交通規制 平川中に駐車場
当日は、午前9時から午後5時まで、神社周辺で車両進入禁止や駐車禁止の交通規制がされる。平川中グラウンドに臨時駐車場が設けられるが、台数などの制限があるため、同神社は「近隣の方は徒歩や自転車でお越しを」と呼びかけている。
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