友人の幸恵さんが詩集を出版するという。ついては題名を考えて欲しい、と頼まれた。題名は、この本を読んでみたい、と手に取らせ頁をめくらせる魅力的なものでなければならない。難題だ。友のために全力を尽くそう。
詩集の題名は、掲載作品の中で一番自信作のその題名つける。それが多い。しかし、前例に追尾するより、なにか別なことをしてみたい。何かないかなあ。全体を指し示す題名。幸恵さんの作品四十編を読んでみたが作風も内容も統一性がない。この広がりのある特性を表す題名はないか。
擬音や擬態語ではどうだろう。“のらりくらり”“しどろもどろ”“ちーちーぱっぱ”“すってんころり”…思いついたのはこんなもの。これではいけない。「暮らしのことば擬音・擬態語辞典」を開いた。あるわあるわ解説を含めて600頁。
“のらりくらり”・仕事につかずに遊んで暮らす様子。“しどろもどろ”・動揺してつっかえながら筋の通らないことを話す様子。“ちーちーぱっぱ”・雀の鳴き声と羽音を写した語。ちーちーが鳴き声。ぱっぱが羽音。“すってんころり”・弾みをつけて派手に倒れ、その勢いで転がる様子。
ああ、面白い。もっと探すからね。待っててね幸恵さん。“ぷるんぷるん”なんていかが?