1950年代までは「亡国病」と恐れられた結核。適切な診断や治療、予防法などの確立により、「薬を飲めば治る病気」になったが、世界では総人口の約25%がすでに結核に感染しており、今でも世界の死亡原因のトップ10に入る病気でもある。
どんな病気?
結核菌によって、主に肺に炎症が起こる病気で、主な感染経路はくしゃみや咳の飛沫から菌が飛び散る飛沫感染や空気感染。初期症状は風邪に似ており、気づかないうちに進行してしまうことがある
発病しやすいのはどんな人?
日本では新たに結核と診断された人の約7割が65歳以上だ。また、糖尿病患者や喫煙習慣がある人、免疫力の弱い人は、発病のリスクが高くなる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
結核を取り巻く状況は、新型コロナウイルス感染症により変化している。厚生労働省によると、2020年に日本では1万2739人が新たに罹患。2019年と比べ、約1700人減少し、罹患率(人口10万人対)は、過去最低の10.1を記録した。しかし、これは罹患者が減少したのではなく、緊急事態宣言の発出に伴う自治体での健診の延期や、外出自粛による健診や受診控えが要因とみられている。 早期の正しい診断と治療が、重症化や集団感染を防ぐことにつながる。タンのからむ咳や微熱、体のだるさといった症状が2週間以上続く場合、本ページに掲載の 医療機関などを受診しよう。