写真集「いつかは行きたい一生に一度だけの旅・ベスト500」を毎日開いている。地球は丸くて、山があり広い海があり、川や砂漠、平原、氷河、深い森林等、豊かで変化に満ちている。花咲く並木のある町があり、人の大切な暮らしがある。幾多の生物と一緒に生きる人の営みがある。積み重ねた歴史があり文化がある。
地球上に幾つの国があるか知らないが、人の心は国境など易々と越えて繋がりあう。互いを思いやることが出来る。なのに、何故? ウクライナの国が破壊されるのを見るのは悲しい。母親が小さな子供の手を握り逃げる姿は正視できない。第二次世界大戦の激戦地沖縄で、ガマの中で恐怖の目をして抱き合う親子の姿が重なる。
人の権利
永田弘
木立の上に、/空があればいい。/大きな川の上に、/風の影があればいい。/花と鳥と、光差す時間。/かすかなもの、ささやかなものだ、/人の生きる権利というものは。/朝、お早うという権利。/食卓で、いただきますという権利。/日の暮れ、さよならまたねという権利。/幸福とは、単純な真実だ。/必要最小限プラス1。/人の権利はそれに尽きるかもしれない。/誰のだろうと、人生は片道。/行き行きて、帰り着くまで。