代表取締役社長を務める秋川牧園が「第43回食品産業優良企業等表彰」の経営革新部門で、最高賞の農林水産大臣賞を受賞した。「食の安全、6次産業、地域循環など、創業50年の歩みそのものを総合的に評価してもらえたようで、率直にうれしい」と喜びを語る。
祖父・秋川房太郎氏が「口に入るものは間違ってはならない」という理念のもと、中国の大連で農園を営んでいたことを出発点に、思いを受け継いだ父・実氏が1972年、山口市仁保に養鶏場を開業したのが同社。創業より安心・安全な食べ物作りを目指して無農薬コーンの輸入ルート開発や、鶏の無投薬飼育などを実現させた。さらに、地域の農家と連携して飼料用米の生産と利用を行う地域循環の仕組みは、2020年に「ディスカバー農山漁村の宝」(農林水産省主催)で準グランプリも受賞した。
【プロフィル】1966年5月、山口市堂の前に生まれる。山口高、筑波大卒業後、89年に秋川牧園入社。2005年、社長就任。好きな食べ物は卵で、熱したフライパンに割り落として半熟に煎り、しょう油をかけてご飯にのせる食べ方が「一番おいしい」。