山口被害者支援センターによる公開講座「犯罪被害者等の置かれた立場」が、5月15日(日)午後1時半から3時まで、KDDI維新ホール(山口市小郡令和1)で開かれる。
講師を務めるのは、北口忠さん。北口さんは2004年10月5日の午後、広島県廿日市市の自宅で、当時17歳だった娘・聡美さんを殺害された。自身は勤務中で、自宅にいた母も被害に遭った。その後、10年以上にわたり未解決の状態が続いたが、2018年4月に宇部市在住の男が犯人として逮捕され、2020年4月に無期懲役判決が確定した。
講演では、事件前後の自分と家族の様子や近所の人たちとの距離感、助けになった相談先、事件後の二次的被害、犯人が捕まってからの思いなどについて聞くことができる。昨年も同時期に北口さんによる講演が予定されていたのだが、広島県に緊急事態宣言が発令されたため、急遽延期になった。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、会場での聴講人数は先着70人に限定。そして、テレビ会議システム「Zoom」を使って、100人がオンライン聴講できる。どちらも、事前申し込みが必要だ。
事件・事故の被害者やその家族は、平穏な日々からある日突然、犯罪そのものによる直接的な被害だけでなく、精神的被害や経済的負担など、さまざまな困難に直面することになる。この講演会は、被害者らの置かれている状況や、平穏な暮らしへの配慮の重要性などを、一人一人に深く理解してもらうことを目的に開催される。
5月から8月にかけて、被害者支援員養成講座
山口被害者支援センターではさらに、被害者支援に関心ある人たちが、専門的ボランティア「被害者支援員」になれる養成講座(受講無料)も開催。①入門講座(全3回)と②初級講座(全7回)があり、5月から8月にかけて開かれる。今回の公開講座は①の第1回も兼ねており、被害者支援員になるには、①②のうち8回以上の出席が求められる。講師は、警察・検察・裁判関係者、被害者遺族、弁護士、大学教員、同センタースタッフらが務める。コロナ禍で中止されていたため、3年ぶりの開催となる。
すべて、申し込み・問い合わせは同センター(TEL083-976-5152)」へ。ウェブサイト(https://vs-yamaguchi.net/)からの申し込みも可能だ。締め切りは、5月8日(日)。